『週報』北野唯我のブログ

北野唯我のブログ、プロフィール、経歴など。人材領域をサイエンティフィックに、金融市場のように捉える為の思考実験の場。

思考を本質に近づけるための、最強の思考法 ーアンカーマンの技術ー

 

 

「会議の場で、どうやって一目置かれる発言をするか」

 

それはビジネスパーソンにとって重要なテーマだ。なぜなら仕事上の印象は「話す時の実力」によって強く決定づけられるからだ。

 

ある著名なコピーライターはこう語った。

 

「伝え方が9割? そんなの絶対嘘。言葉は思考の深さによって決定づけられる」

 

間違いない。どれだけ伝え方が良くても思考が浅ければ、人の心を揺さぶる言葉など生まれない。では問題はこうだ。

 

「いかにして、自分の思考を本質に近づければいいのか?

 しかも誰でもできるような方法で」

 

誰もが憧れる技術。そのためには「アンカーマン」の技術が役に立つ。

 

▼職業:アンカーマン

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僕は普段、二つの顔で仕事をしている。一つは、経営企画の役員。もう一つは「アンカーマン」と呼ばれる職業だ。

アンカーマン? その耳慣れない職業の定義はこうだ。

週刊誌で、取材記者の原稿をもとに、最終的にまとめる人。また、ラジオ・テレビのニュース番組のメーンキャスター。アンカーパーソン。女性の場合はアンカーウーマンともいう。

アンカーマンとは - コトバンク

つまり、メディアの顔として「取材や自分の考察を通じて、最終的なオピニオンをまとめあげる人間」だ。

したがって、アンカーマンは①取材もするし、②編集もするし、③執筆もするし、④しゃべる。その全てが求めらる。

 

アンカーマンに必要な能力]

  • 1.取材力
  • 2.編集力
  • 3.執筆力
  • 4.プレゼン力

 

そして、これまで僕は「アンカーマン」としてメディアを運営しながら、数々の著名人や財界人の方とお話ししてきた。対談記事に関しては、数をこなした分だけ「割とよく読まれる」。

 

たとえば以下は直近で担当したインタビューの記事とpv数である。ウェブメディアは「1万pvいけば、よく読まれた」と言われる中で、これらの記事はその5倍以上を叩き出している。

 

11.6万pv フリークアウト代表 佐藤裕介氏 (17/05)

8.9万pv 元Google米国副社長 村上憲郎氏 前後篇(17/08)

村上憲郎、北野唯我|就活サイト【ONE CAREER】

8.5万pv アスリート為末大氏 前後篇(17/10)

どうして人は「アスリートの言葉」に、耳を傾けるんですか?為末さん。【為末大】|就活サイト【ONE CAREER】

5.2万pv 東大名誉教授 早野龍五氏 前後編 (17/12)

「こんな時代に大学で学ぶ。そこに、意味はあるのでしょうか?早野先生」【早野龍五:特別インタビュー】|就活サイト【ONE CAREER】

5.1万pv 野村総合研究所人事担当 (17/10)

なぜ商社や広告代理店を抜いて、NRIが就活ランキング3位なんですか?|就活サイト【ONE CAREER】

 

スポーツから、ビジネス。学者に大企業の人事……、これだけ多種多様な人物の魅力を引き出すにはコツがある。今回はこの方法論が整理できた。だからシェアしたい。

 

名付けて「思考を本質に近づけるアンカーマンの技術」だ。

 

▼思考には、グーチョキパーのように「相性の良さ」がある

そもそも思考には明らかにレベルがある。冒頭に出てきた言葉「伝え方が9割かどうか」はハッキリ言えば、テーマの深さによる。具体的には、テーマが浅いと「伝え方」の重要度が高まる。反対にテーマが深いと「内容」こそが重要になる。

 

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たとえば「同僚と天気の話をする」「恋人に何かをお願いする」という浅いテーマの場合、間違いなく「伝え方が9割」である。

一方でもっと深いテーマ、たとえば「どう生きるか」「キャリアをどうしていきたか」という深いテーマの場合「内容が大事」なのは間違いない。(これは壮絶な人生を辿った人の言葉は、多少たどたどしくても「深く刺さること」を想像すると分かりやすい)

 

そしてこの「深いテーマ」を話す際に重要な「思考」を深めるには技術がある。これはジャンケンのようなもので、強いと弱いが存在しており、ぐるぐる思考を回すような感覚に近い。

 

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▼定義

1.論理的思考 (ぐー)

”事実”や論理に、注目した思考。どんな時でも使えるぐらい、汎用性が高いが、目的や前提を見失うことがある。


2.そもそも論 (ぱー)

”前提”と長期的な価値に、注目した思考。本質的な価値を見失わない点がメリットだが「具体性」がかけることがある


3.アナロジーシンキング (ちょき)

”認識”や”効果”に、注目した思考。比喩を多用する。実用性が高いが、一部の事実のみを切り取り、ミスリードを起こす可能性がある

 

イメージとしては

「論理的思考(グー)」が強い人は「そもそも論(パー)」を多くぶつけることで、思考を進化させることができる。

一方で「そもそも論(パー)」が強い人は、「アナロジーシンキング(チョキ)」によって、思考を進化されることができる。こういうイメージである。そして思考能力が優れた人物はこの3つを単独で完結することができる。

 

たとえば、以下は、元Google米国副社長の村上憲郎氏と「テスラ(電気自動車)」について話したときだ。二人の会話に注目してほしい。

 

村上:テスラの魅力を理解するには、電電公社の民営化の歴史を理解しないといけない(アナロジー思考)。で、電電公社の民営化の歴史って何なのかというと、「携帯電話とインターネット」なのよ。電話って、1986年の頃(民営化開始)って、みなさんさ、たいてい下駄箱の上に置いていたわけじゃない。(事実)

 

北野:いわゆる、黒電話ですね。(わかりやすい、アナロジーで返す)

 

村上:それが変わったのは携帯電話になってからでしょ。だから、現在進行中の電力システム改革で、携帯電話に相当するものが、蓄電池なんですよ(アナロジー思考)。まあいってみれば電気の使い方を一番変えるのは「蓄電池が各家庭に入ってくる」ということなんだよね。テスラさんはそこが分かっていて、ギガバッテリーのほうがメインでしょ。つまり、『勝負として』自動車もお売りになっているわけですよ。でも駐車しているときは蓄電池でしょ(前提に基づく、そもそも論)、という意識だと思いますよ。

 

北野:つまり、テスラの真の狙いは、すべての家庭にテスラ製の「蓄電池」を設置することだと。(本質的な価値に注目する、そもそも論)

出展:https://www.onecareer.jp/articles/999

 

アンカーマンの役割は、こうやって相手の軸足となる「グーチョキパー」を見つけ出し、あえて一つズラした思考法で意見をぶつけるのである。思考を進化させる方法の1つ目は、この3つの思考法をバランスよく使いこなすことだ。

 

▼インタビューとは、一人では解けない「問い」を二人で解くこと

先日、ある有名な出版社の編集者からこういわれた。

 

「北野さんのインタビュー記事は、インタビュー記事の概念を変えましたよ。それぐらい凄いです」

 

実際はそんなには凄くなくて話し手が凄いのだが、唯一あるとすると「インタビューの定義」によるところが大きい。というのも、アンカーマンにとって一番重要なことは

 

・最強の問いを立てること

 

だからだ。そもそも思考とは「何かの問いに答える手段」である。となると、インタビューを行う意義とは「一人では解けないことを一緒に解くこと」だと定義できる。なぜなら、一人で解ける問題はわざわざインタビューで聞く必要がないからだ。

 

では、その「最強の問いとは何か」というと、大体、それは

 

本来はその人が解くべき問題だが、
まだ解き終わっていない社会の謎

 

である。というのも、ある程度以上の著名人になると、必ず「その人しか答えられない質問」がある。それを探すことがアンカーマンにとってもっとも重要な技術の一つだ。つまり重要なのは以下の二つである。

 

①その人が解くべき社会の謎は何かを定義すること

②思考のグーチョキパーをバランスよくまわすこと

 

たとえば、どういうことか?

 

以前、アスリートの為末大さんにインタビューしたが、その時、僕が一番聞きたかった質問はこれだった。

 

「どうして人はアスリートの言葉に耳を傾けるのか?」

 

ハッキリ言えば、この「問い」は為末さんだからこそ答えられる。いや、答えるに値する。その理由は、①スポーツアスリートとしても活躍していたこと、②「走る哲学者」と呼ばれるほど言語化能力が高いからである。

 

他の例を見てみよう。

 

昔、サイバーエージェントの取締役曽山さんに話を聞いたことがあった。曽山さんは人事界隈ではとても有名な方だが、その際に僕が一番聞きたかった話はこれだ。

 

「じゃあ、曽山さんならどんな就活するんですか?」

 

これは曽山さんだからこそ答えるべき問いである。このケースの場合、「じゃあ」ってのがポイントだ。なぜならこの「じゃあ」には「専門家のあなたなら」という意味が含まれているからだ。

 

このようにアンカーマンは「問い」と「思考のグーチョキパー」を繰り返しながら、思考を深めていくのが仕事のわけだ。 

 

▼論理的思考は陳腐化しつつある

今、世の中は「論理的思考」が陳腐化しつつある。本屋にいけば、山ほどの「論理的思考に関する本」が存在している。それほど多くの人が「論理的思考」について悩み、求められているという証左だろう。

 

だが、反対に言えば、それぐらい論理的思考は「汎用化された」ということだ。周りを見渡しても、論理的に考えられる人なんて山ほどいる。だから、ロジック単体では「対して差別化要因」にならないってことだ。

 

では、どうすればいいのか? どうすれば、会議の場で一目置かれる発言ができるか?

 

それが、もう一つの「思考の軸」を持つことだと最近思うのだ。具体的には自分が「論理的思考」が強ければ、「そもそも論」で考える癖をつけること。自分が「そもそも論」で考える癖が強ければ「アナロジーシンキング」で考える癖をもつこと。これが重要になってきていると感じる。

 

為末大×北野唯我トークイベントします

さて、7月8日(日)にTokyoFM後援で「為末大×北野唯我」のトークイベントします。二人のまさに「思考のじゃんけん」を楽しめる場になると思います。

第三回目となる今回は書籍出版記念も兼ねています。

 

テーマは、人生100年時代のキャリアのつくり方。『勝負の分かれ目』ともいえる年齢にどうキャリアを形成していくべきか、それを一緒に考えるための会です。

 

「100年時代突入。でも深い専門性が身についていない……」
「今の会社を出たいけど、生活水準は落としたくない!」
「特別な才能がなくても、自分の名前で生きていきたい」

 

上記、どれか1つでも当てはまる人に、示唆ある内容でお届けします。第一回満足度9.0、満足率94%超えイベント。

ぜひディスカッションしましょう!

 

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▼書籍が出ます▼

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日本の課題を表す、10・20・35・130問題。ーなぜ、人材領域に人と金が集まってきているかー

 

「日本の課題を3つ挙げよ」

と、聞かれたらあなたはなんと答えるだろうか。

 

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先日、リクルートが1,300億円でグラスドア社を買収した。このニュースは、人材領域で働く人間に衝撃を与えた。国内最強の人材会社は、2012年買収したIndeedに加えて、世界で最強となるための両翼を手にしたからだ。

 

加えて、昨年あたりからリクルートホールディングス投資銀行出身者など、国内でもとびっきり優秀な人材を経営のコアに雇い続けてきている。

 

つまり、今、人材領域、特にHR Techと呼ばれる「人材×テクノロジー」の領域には「人と金」が集まる、大きな流れがあるのだ。

 

では、なぜ「金と人」が流れつつあるのか?

 

その理由はシンプルであり、そこに「日本の課題」が密集しているからである。

この「なにが日本の課題で、どこに人材の伸び代があるのか」という問題はあまりに多く語り尽くされているようにみえる。しかし、その指摘はパラパラと散在し、薄い点としては散在しているが、まだ誰も全体像を語り尽くすには至っていない。

 

▼日本の課題をとらえた、10・20・35・130の問題

 

「日本」というのを、1つの株式会社として捉えた時、そのパフォーマンスはどう決まるのか。

これはいくつかの方法論が存在するが、そもそも「国のパフォーマンス」や「組織のパフォーマンス」というのは、以下の3つの要素で整理すると「わかりやすい」。

 

1.稼働率(100人中、何人が働いているか)
2.配置効率(何人の人が、どの仕事や産業を担当しているか)
3.生産性(一人一人が、どれだけ生産性が高く働いているか) 

 

これはスポーツで例えると、わかりやすい。

たとえば、その国のサッカーチームの強さは、①そもそも、国内でスポーツするすべての人間のうち、何人がサッカーを選ぶか、という「絶対的な人数」にまず大きく左右される。そのうえで②誰をフォワードに置き、誰をディフェンスにおくか、という「配置効率」の問題があり、最後は③そのフォワードが「個人として」どれだけ活躍できるか、という「生産性」の問題に帰着する。

 

このように、ほぼありとあらゆる組織の生産性は、この3つの観点で分析するとわかりやすい。そして今、日本は、3つの領域、それぞれにおいて課題が存在している。

 

それが、10・20・35・130の問題である。

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まず1つ目は「10」という数字だが、これは「実質的な失業率」の数字である。

日本は目に見える形の失業率は2%程度といわれるが、目に見えない「社内失業」の数が500万人程度といわれる。つまり「社内で仕事がない人」だ。この背景には「終身雇用を前提としているため、解雇しづらいこと」が大きく、500万人という数字は8%程度にあたるため、合わせて「10%」程度である。

  

二つ目は「20・35」という数字だが、これは「配置の問題」である。

別の記事で説明したように、そもそも、産業には「一人当たりの付加価値」に大きな差がつく。その差は最大20倍近くあり、加えて、現状の日本では、毎年100万人近い入職者が生産性の極めて低い産業に流れ込んでいる。この100万人というのは、約35%にあたる。この「20倍」と「35%」を取った数字である。

 

最後は、「130」という数字だが、これは「働きがい」に関する問題である。

具体的には、米ギャロップ社によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%(米国の32%)で調査139カ国中132位と最下位クラスにある。この132位の数字からきている。

 

つまり、①就業率、②配置効率、③生産性のそれぞれで、課題が存在しているわけだ。これが、10・20・35・130問題だ。

 

▼この問題に立ち向かう、「テクノロジー」には4つの方向性がある

では、これに対して、我々、人材マーケットは全体として、どう立ち向かおうとしているのか?

 

結論をいうと、4本のテクノロジーの力が働いている。ザッと国内マーケットを見渡すと、一概にHRTechと呼ばれている会社でも、明らかにいくつかの方向性が存在している。僕はその頭文字をとって、METIモデルと呼んでいる。

 

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1つ目は、マッチング(Matching)。

「最適な場所に、最適な人をおくこと」を科学する流れである。Aさんは事業部Bに置いた方がいい、などというイメージだ。これは国内では、ビズリーチや、リクルートなどが主導していると考えられ、事業会社として一番最先端を進んでいるのは、間違いなく、セプテーニグループである。

 

2つ目は、エンゲージメント(Engagement)。

これは、エンゲージメントスコアと呼ばれる「従業員がどれだけ意欲的に仕事や会社にコミットしているか」を定量的に表そうとする流れである。国内では、モチベーションクラウド、Wevox、Geppoなどが展開し、「従業員の状況」を一瞬で把握することができる。

 

3つ目は、インベストメント(Investment)。

これは「従業員のHRデータに基づいて、投資の意思決定を促す流れ」である。たとえば「この会社は従業員のエンゲージメントが高いから、きっと株価が伸びるだろう」という予測を行い、投資することである。国内では、最強の口コミサイトの1つである「Vorkers」がすでに投資家向けに一部のデータを提供しつつある。

 

4つ目は、ツール(Tool)。

これは単純に「これまで紙でやってきたことを、ウェブでやりましょう」という流れである。OpenESと呼ばれる「エントリーシート」をウェブ上で提出できる仕組み、などがわかりやすい。国内にも数多のベンダーが存在している。

 

そして、これら4つの頭文字をとって、僕は「METIモデル」と呼んでいる。(省庁の頭文字と同じで覚えやすいからだ)

 

METIのテクノロジーは何を解決するのか?

では、この4つのテクノロジーは、一体「何の課題」を解決しようとしているのだろうか?

 

それがまさに、上述の課題(10・20・35・130)である。4つのテクノロジーの流れは前述の課題とピタッと一致しているのである。具体的には以下の図の対応関係にある。

 

テーマ

「伸び代」を象徴とする数字

テクノロジーの分類

稼働率

10

インベストメント(I)

ツール(T)

②配置効率

20・35

マッチング(M)

③生産性

130

エンゲージメント(E)

つまり、マッチングのテクノロジーは「配置効率」の問題を担当し 、エンゲージメントは「生産性」、そして、インベストメントは「稼働率」の問題を担当している。こういう構造だ。

 

このうち、一番わかりづらいのは1つ目の「インベストメントと稼働率」の関係だろう。

 

そもそも、なぜ「インベストメント」と「稼働率」がリンクしているのかというと、結局、稼働率とは「企業の配当性向」によってほぼ決定づけられるからである。たとえば、あなたがある企業のオーナーだとしよう。

 

もしあなたが社内の稼働率を上げたければ、社内失業者を見つけ出し、あぶり出し、解雇して、利益を最大化させればいい。一方で、社内の従業員を守ってあげたいと思うのであれば、利益を殺してでも、雇用を守る方向に進めればいい。つまり、インベストメント(金)が一番ダイレクトに解決できる問題は「雇用・稼働率」なのである。

 

その意味で、インベストメントと稼働率は極めて強い関係性をもっており、今のテクノロジーの流れは、この関係性を「可視化する」方向で進んでいるわけだ。これがHR Techを取り巻く「全体感」である。

 

▼エコシステムとして変化に対応するためには「三権分立構造」が必要

しかし、この4本の矢だけでは、実は十分ではない。というのも、常に社会は「失敗」するからである。そもそもだが、世の中を長期的な視点から「良い状態を継続する」ためには、常に三権分立のような構造が必要だ。僕は以下のように整理している。

 

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言い換えれば、この3つを一つの会社で制したものは、どの世界でも覇者になりえる。

 

Amazonがわかりやすい。アマゾンは、AWSAmazon本体として「システム」を提供しつつ、コンテンツとしての「メディア」を持っている。これに加えて、クレジットカードの情報を加えたデータの「研究機関」を保有すれば、たった1社ですべての要素を持つことができる。したがってどんな変化にも対応し続けることができる、こういう構造だ。

 

そして、現状、日本にはこの3つを制しているHRの圧倒的なプレーヤーは存在しない。だからこそ、全体で手を合わせ、同じ方向を向かないといけないわけだ。

 

▼ソリューションとしての、「SHIFT」

 

もちろん、僕らは動き始めている。具体的には「SHIFT」と呼んでいるムーブメントだ。

半年ほど前から、人材領域の中とたくさん会ってきた。いろんなひとの協力を得ながら、少しずつ形になりつつあるこの動きを僕らは「SHIFT」を呼んでいる。この活動の目的は、HR版のWikipediaをつくることである。具体的には、HRに関するすべての事例を、集結させ、それを世の中に解放する流れである。非公開ながら力強いメンバーが集まってきている。

これは7月に第一回のオープンイベントを行いたいと思っている。

 

▼『転職の思考法』

もう一つは、個人の動きである。6/20に『転職の思考法』という本がダイヤモンド社から出る。この本の目的は「自分のマーケットバリューが何によって決まるのか、を明らかにすること。そのうえで、最終的には、人材の流動性を担保することである。上述のようにいくらマッチングの精度が高まったとしても、必ずエラーは起こる。その際に「どうやって自分のキャリアを構築していくのか」というテーマの本になっている。

 

具体的にすでに原稿を読んでくれた人の感想はこうだった。

 

【転職したことある人、読んで欲しい本が出ます】

いずれも「もっと早く出てれば...」と思う書籍。6月に出る「転職の思考法」草案を読みましたが、めちゃくちゃ面白かった。

ノウハウ的な内容が、ストーリーとして追体験できる形式で書かれており、一気に読めます。

転職したことある人はぜひ、手にとってみてください 

以上。

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「能ある鷹も30になれば、爪が死ぬ」本が二冊出ます

 

今年、2冊の本を出します。 

1冊は「市場価値の作り方」がテーマで、ダイヤモンド社から。2冊目は「組織における、才能の活かし方」がテーマで、日本経済新聞出版社から出ます。特に2冊目は以下のブログが元になっています。

 

yuiga-k.hatenablog.com

つまり「才能」についての本です。世の中にとって意義のある本にしたいので、リアルな企画書を全公開し、もっとこうした方がいいなど、フィードバックを募集しております。共感した部分、この本を通じて僕が世の中に代弁すべきことがあれば、ぜひ教えていただけませんか。

 

 ▼書籍② 日本経済新聞出版社 冬頃発売

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『天才・秀才・凡人--3つの才能を活かす、それぞれの方法』(仮)

 

<キャッチコピー>
「凡人が天才を殺すことがある理由」PV30万に達した話題のネットコラムを書籍化!

 

◎世の中には「天才」と「秀才」と「凡人」がいる。三者の間にはコミュニケーションの断絶がある。凡人は天才を理解できず、排斥する。秀才は天才に憧憬と嫉妬心をもつが、天才は秀才にそもそも関心がない。秀才は凡人を見下し、凡人は秀才を天才と勘違いしている。――18年3月16日に「ITMedia」にも配信された「凡人が、天才を殺すことがある理由。――どう社会から「天才」を守るか」と題されたコラムがバズ(BUZZ)った。

 

◎ビジネスコラムとしては、異例の30万PV、フェイスブックのシェアは2万4000に達した。またビジネス向けネットメディアであるNewsPicksに転載されると、その反響(コメント)は2200に及んだ。さらに、このコラムの反響を取り上げた2回目のコラム「天才を殺すのは、実は「秀才」ではないのか?等への回答10選」も、フェイスブックのシェアだけで5000を超え、「天才・秀才・凡人」を巡るネット上の議論はいまも続いている。またコラムには、アスリートの為末大、コーン・フェリー・ヘイのシニア・パートナー山口周、マンガ『左利きのエレン』作者かっぴーら著名人も多くコメントをした。

 

◎本書はこのコラムのテーマを掘り下げ、書籍化するもの。「会社や世の中における天才、秀才、凡人とは?」「ひとりの人間の中における天才、秀才、凡人要素とは?」「三者を隔てている壁を超え、創造性を発揮するには?」などの論点を議論していく。

 

◎著者の北野氏は博報堂に入社後、BCGを経て、上位校学生を対象にした就職ポータルサイトを運営するワンキャリアに参画、サイトの編集長としてコラム執筆や対談(田原総一朗/為末大/茂木健一郎/村上憲郎/岩瀬大輔/山崎直子/南壮一郎/本城慎之介/曽山哲人/早野龍五/遠藤謙ら)、企業現場の取材を行っている。

 

<目次案>
序 なぜ、天才は凡人に殺されるのか?


第1章 天才・秀才・凡人たちの群像
・他人の目を全く気にしない、KYだった少年はやがて「天才」になった
・「バカとは仕事したくない」この人は天才だと感じたエピソード
・見えないものが見える。だから天才は「なぜ?」と聞かれても答えられない
・どこまでいっても器用貧乏?そんなことない、天才を支える「最強の秀才」の価値
・世界最高峰のコンサルで見た「ロジック」だけの人は、結局、営業でつまづく
・天才は「物理」の世界で生き、秀才は「法律」の世界で生きる
・世界のビジネスを支えるのは、1割の秀才たちの「再現性」のおかげ
・共感を生み出す凡人がSNSという武器で最強になれる時代
・文学好きのマイルドヤンキーが「若者のカリスマ」になりえる理由
・共感を軸にした判断はしばしば「愚民政治」を招きやすい?

 

第2章 それぞれの才能を殺さず、どう活かすか

<天才へ>
・「誰からも理解されない」から脱出するには、具体的な1人だけを思い浮かべること
 ・「なぜそうか」を説明できなくても、「その結果誰が幸せになるのか」を説明せよ
 <秀才へ>
 ・ロジックは「相手の文脈」と「アナロジー」を使えば凡人にも理解される
 ・天才と同じ発想はできなくても「同じ高さでものを見ること」であなたの価値は100倍になる
 <凡人へ>
 ・普通の人にも分かる言葉。それを通訳する一番の武器は「例えばどういうこと?」という質問
 ・言葉に磨きをかける。「最強の言葉」でただの凡人から脱出せよ


第3章 組織が才能を生かしながら、進化するには
第4章 社会としてどうやって才能を守り育てていくのか?
第5章 先達に聞く 明日からできる才能の伸ばし方
終わりに なぜ、才能を活かす必要があるのか

 

※許可を得て「本の企画書」をそのまま掲載しています。

これが2冊目です。

 

▼書籍① ダイヤモンド社 『転職の思考法』 6/20(水)発売

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この本は「自らの市場価値の作り方」がわかる本です。

 

現代は、二人に一人が転職する時代ですが、いまだに「転職の話を社内ですること」はタブーとして扱われることも多い。この本を通じて、私が成し遂げたい世界感はまさに「このタブーを破壊すること」です。もっと「転職の話」をカジュアルでオープンに話せる世界にしたい。そしてこのタブーを破壊することは、働く人々だけではなく、組織や社会にとっても「ポジティブな影響」を確実に与えます。なぜなら

 

・強い組織とは、社員が「いつでも転職できる」けど「あえてしない組織」だから、です。

 

現に、有名なプロ経営者である村上憲郎氏はかつて、こうおっしゃっていました。

 

「最終的に転職するような優秀な奴は、在籍しているときは、必死になって会社という『みこし』を担いでいるわけでしょ。辞めるまではさ、一生懸命、会社を担いでくれる人材なのよ。でね、反対に、一生この会社にしがみつくぞ、みたいな奴はさ、おみこし担いでいるふりして、ぶら下がっているわけよ。人事部が大事にしなきゃいけないのは、ぶら下がっているやつじゃなくて、もしかすると3年後にいなくなるかもしれないけど、今必死に担いでるやつなんだよ。ほんとに担いでくれるやつだったら数年勤めてくれたら御の字じゃないの? そういうふうに人事部も考え方を変えないと」

 出典:https://www.onecareer.jp/articles/999

 

私はこの意見に100%同意します。でも問題は「いつでも誰でも、転職できる状態をどう作るのか?」なのです。

 

この『転職の思考法』という本はそれら全てを包括的に捕え、最後にはあなたの背中をグッと勇気づけるようなものにしたい、そう思い、魂を削りながら作りました。会社や国が守ってくれないこの時代の「最高のビジネススキル」、それは間違いなく「転職の思考法」です。そしてそのスキルを求めているのはあなただけではないはずです。だから問います。

 

こんな時代に、しっかり、あなたの市場価値を見つめる機会を持ちませんか? 

 

その答えが載っています。6/20(水)、ダイヤモンド社より発売です。

 

▼なぜ、やるのか?

僕は普段、人材領域に身を置きながら、1つ確信したことがあります。それは

 

・どの国の未来も、若くて才能があり「ちょっとだけ変な子」の肩にかかっている

 

ということです。振り返ればいつもそうでした。どんな組織の中にも「普通にいるとちょっと浮く子」が存在します。僕は彼らが大好きです。ですが、この国では横並びで意志を持たない人間が推奨されるため、彼らは排斥される傾向にある。嫌われる傾向にある。

 

だが、振り返ってみると、どんな組織でも新しいことを作り始めるのは「才能があるちょっと変わった子」だなと思うのです。なぜ、「ちょっと」なのか。それは彼らの知性に起因します。彼らは賢いですので成長の過程で「一応」社会で撲殺されない術を身につけているのです。能ある鷹のように「爪を隠している」のです。だから普通の人からみると「ちょっと」にしか見えない。しかし、才能というのは残酷なもので、砥がれることのない才能はいずれ腐り落ちます。二度と使えなくなるわけです。

 

そうなるともはや「爪が金色に輝くこと」は一生ありません。

 

僕は今30歳ですが、このタイミングは、まさに「黄金の爪が腐るか、腐らないか」の瀬戸際のタイミングであるのではないかと感じるのです。だからこの時期に、2冊の本を出したいと思いました。目的は同じです、「人の才能を活かすこと」です。

 

若い頃、自分は腹の中に「情熱を飼っている」感覚を覚えていました。原理はよくわからないのですが、なぜだが生きていて「心が燃えたぎる瞬間」が存在していたのです。

 

その情熱は明らかに周りの空気を一瞬で変える迫力がありました。高校生の時に社会起業家的な活動をし、成果を出したときもそうでした。理由はわかりません。ですが、なぜだが心からマグマのように煮えたぎる情熱が僕の身体を動かし、この世に吠えさせる瞬間があるのです。世界を1%でも前進させろ。さもなければ俺は生きている価値がない。

 

当時の自分は、自分が自分に対して何に情熱をかけられるのか、熱くなるのか、つまり「自らのトリガー」を理解していませんでした。ですが、最近になり気づいたのです。私は「社会で抹殺されるようなレアな才能」がこの上なく好きで、そしてその爪が腐りかけている瞬間を見たとき、腹の奥底からふつふつとマグマのように燃え上がる「情熱」と「怒り」がわいてくるのです。

 

その原子はエゴのようなものに近いかもしれません。自分ならその才能を正確に理解し、そして苦悩までも正確に描写できる、なぜなら自分も同じ人種であるから。そういう、ナルシシズムの一種かもしれません。ですが、それがトリガーであり、自分を動かす「マグマのトリガー」なのは事実だったのです。

 

そして、黄金の爪を持った若い才能の多くも、実は腹の底でマグマを持っているのです。その炎は、どれだけ隠していても話せば一発でわかります。目の奥が求めているからです。でも、それは成長の過程で隠され、活用されないまま終わってしまっていることも多い。だから僕はそれを引っ張り出したい。そう思って文章を書いています。

 

そもそも書籍とは、なんのために存在するのか。それはリアルでは限界があるから。イベントや個別で話すのでは限界がある。自分の身体には限りがある。しかし、それを本にすることで、より多くの才能を活かすことができる。だから出したいし、売りたいのです。

 

 

 

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