『週報』

北野唯我のブログ。人材領域をサイエンティフィックに、金融市場のように捉える為の思考実験の場。

人生とは「オセロ」

 

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「人生とは何か 」

 

といった類の質問には、2つの答え方がある。1つは、「きちんとした言葉で、定義すること」。たとえば、僕は人生とは「自分のこと好きになっていくプロセス」だと思っている。こういう風に「情報をより具体的な言葉」で表すことだ。

もう一つは「たとえ」をいうこと。まさに「人生とはオセロ」はその一例だと思う。オセロ、それは人生の醍醐味を表していると思う。

だって、他者からの「評価」というのはとても曖昧なものだからだ。それを痛感することが昔あった。あれは、高校生の時だったと思う。

 

何も「取り柄のない人間」が、ある日スターになる瞬間

高校生のときの自分は、控え目にいっても「特別目立つ存在」ではなかったと思う。そもそも、「なんのために生きるのか」が分からなかった自分は、学校にもあんまり行かなかった。何のために生きるのか、何のために働くのか、それが心底分からない状態で「学校で学ぶ意味」が分からなかったからだ。だから、嫌いかどうか、ではなく、行く価値が分からなかったのだ。

だから、学校に行くふりをして、家の近くの公園のベンチに横になり、ボーッと空を見上げなから、『ジャンプ」を読んでいたりした。日中に制服姿の学生がぶらぶらしていたので、おまわりさんにもよく声をかけられたりした。

そして、そのもやもやを抱えていたのは僕だけではなかったように感じる。同じクラスを見渡しても、不登校気味の同級生が二人いて、たまたま席が隣同士だった。3人は「学校に来ない、3人トリオ」として呼ばれ、3人が出席する確率は「奇跡に近い」と呼ばれた。そんなこともあり、高校のときはハッキリいって「何も取り柄のない人間」だったのは間違いない。

 

だが、そんな自分だが、熱中するものもあった。それは「校外の活動」だった。具体的には、高校3年のとき、ひょんなキッカケで「ボランティア団体」を立ち上げることになった。今の時代でカッコつけた言い方だと、「ソーシャルアントレプレナー」のようなものだろうか。

高校三年というと「受験で忙しい」。僕は学校にあまり行ってなかったので、時間だけはたくさんあった。だから、活動に熱中できたのだけど、その時は周りから、本当に「寒い目」で見られた。親にも当然、反対されていた。だが、ある日、その状況が逆転することがあった。それは「新聞掲載」がキッカケだった。

 

ある日、僕らがやっている活動が、メディアに取り上げられた。具体的には、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞神戸新聞、次々と取り上げられていき、僕の名前が新聞に連日載るようにになった。そのとき、周りや、学校の先生が急に「お前、すごいな!!」と言い出したのだ。別に嫌な気はしない。

 

でも僕はそのとき、思った。「僕は別に変わっていないのにな」と。あの時の「特に取り柄のない自分」と、全く変わっていないのになと。そして同時にこう、確信した。

 

「人生とは、やっぱりオセロ」

 

こうやって盛り上げてくれる人も大事なんだけど、もっと大事なのは、最初から応援してくれていた仲間だって。

僕は普段、メディアの役割とは「実力と、メディアパワーの均衡を整えること」だと思って働いている。世の中には「メディアに出ているけど、本当はすごくない人」もたくさんいるし、反対に「メディアには出ていないけど、本当はすごい人」もたくさんいる。

 

あの時の経験があったからこそ、今の自分はやっぱり「本当はすごい人なのに、フォーカスが当たっていない人」はとても応援したくなる。

 

本当に大事なのは「黒のとき」でも、応援してくれる仲間

さて、なんでこんなことを書いたかというと、やっぱり、初めての書籍が順調だからだと思う。

6/21に『転職の思考法』という本を出した。この本は、嬉しいことに、発売1ヶ月ちょうどで6万部を突破した。ちょうど一ヶ月経った今、振り返り、この数字は自分一人では絶対に達成できなかった数字だなと思うからです。

 

・初期から手伝ってくれたメンバーのみなさん、長谷川さん、寺口さん、伊藤さん、岩崎さん、ときおさん、清水さん、津倉さん、清原さん、もちろん井上さん

・人生のメンターとしてアドバイスをくださる、為末大さん

・人材エージェントで働きながら、社員全員に紹介してくれたTIXA ITEX 代表取締役CEOのツゥオさん

・渾身のNoteでこの書籍の価値を伝えてくれた、寺口さん(2回目)

・何より、自分がもがき苦しんでいたときでも信じてくれた長谷川(2回目)や若山さん

・ Toky FMへの出演交渉と、イベントをリードしてくださった菱山さん

Twitterで実況生放送・書評ブログ・イベントも主催してくれる、小松さん

・畳み人ラジオに紹介してくださった、だいまりさんと、畳み人のお二人

・企業の人事として積極的に紹介してくださった、スタメン人事・田中さん、ナイル・渡邊さん、みなさん

・記事の転載を快く受けてくださった、Hrog菊池さん

・書評紹介用の記事と、素敵なデザインを作ってくださった、@人事根本さんとデザイナーさん

・元競合(?)の創業者にも関わらず、紹介してくださった、樋口さん

・素晴らしい記事と構成をあげてくださった、バトンズの田中さん

・イベントで紹介してくださった、ユウイチさん

・他にも積極的に紹介してくださっている、那須野さん、三木さん、PRTable菅原さん

ダイヤモンド社のみなさま 

 

などなど。。挙げだすとキリがないし、ここに書いていない方にも広げてくださったかがたくさんいるのだと思います。本当に、ありがとうございます。。ここに挙げた人たちはまさに「自分が黒(グレー?)のとき」に、応援してくださった、一番大事な人たちだな、と思うからです。

でもまだまだ、たかが6万部。この本を通じて、成し遂げたい「誰もがもっと自由に、何度でも仕事を選べる世界」のためには、これからが勝負だということもわかっています。頑張ります。

最後に、改めて問いたい。

あなたにとって「黒のときでも、応援してくれる人は誰ですか?」と

 

▼著者自ら選ぶ、おすすめの書評ブログ

転職エージェント つぉうさんの書評

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僕の左腕のメンバーである、寺口さんの魂のこもったブログ

 

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編集担当の井上さんの、本への愛情がこもったブログ

 

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ぜひ、ご覧ください!

 

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組織における「秀才」の役割が、明らかに変わってきた。

 

※この記事は「凡人が天才を殺すことがある理由」の続編です 

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「大企業において、"進化を阻止するパワー”は、なにか」

 

ー最近、そればかりずっと考えている。その目的は、ある文章の続きを書くためです。

 

yuiga-k.hatenablog.com

  

通称「天才・秀才・凡人」と呼ばれるこの記事は公開すぐネット上で話題になった。観測している範囲だけで30万pv。ヤフーへの転載、SEOなど「計測できない分」も含めると、50万pv近くに及んだと思われるこの記事は(50万pvというのは「中規模ウェブメディアの1ヶ月分の数字」にあたる)、書籍化のオファーも複数社からきた。

 

そして最近、この話の「続き」を考えることが多い。その背景にあるのは僕自身が「秀才の価値」を痛感する機会が増えてきたからだ。具体的にはこうだ。

 

  今の時代、組織の命運は実は「秀才」が握っている

 

そう考えるようになったからだ。

 

・「天才の時代」と「秀才の時代」は、交互に訪れる

 

原文を読んでいない人もいると思うので、3者の関係をまず再掲したい。

 

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 出典:凡人が天才を殺すことがある理由 

 

これは天才と秀才と凡人の関係図をさしている。今回は「天才と秀才」の関係についてみたい。まず、秀才→天才は「妬みと憧れ」という、相反する感情(アンビバレントな感情)を持つ。一方で、天才→秀才は「興味がない」。

 

この理由は簡単だ。秀才は、天才の凄さがより正確に「分かってしまう」からだ。反対に天才は「秀才という人工的な存在」に本質的には興奮しないからである。そして普通の人は、天才の凄さを認識できない。そのため、凡人→天才はシンプルな感情しかもたない。それは「凄い」か「理解できないから排除する」の2つしかない。一方で秀才は違う。「自分とは、モノ(才能)が違う」という事実をいやがおうにも見せつけられる。根の深い部分では憧れを持つ。一方で、天才は本質的には自分には興味を持ってくれないことも知っている。そのため、相反する気持ちを持ちやすい。

 

ここまでは復習だ。

 

そして今、「大きな会社」の構造を見ると、面白い仮説が浮かび上がってくる。それは

「天才が上に立つ時代」と「秀才が上に立つ時代」は、歴史的に交互に訪れるということだ。

 

これは図に書くとこうなる。

 

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たとえば、戦後、日本が復興しようとしていたとき、間違いなく、組織のトップは「天才」がリードしていた。何もないところから、新しいことを作る。つまり「創造性」が世の中をリードしていた。一方で、組織は「天才」だけは回らない。それをサポートする「秀才」と、人の気持ちがわかる「普通の人」が絶対に必要だ。だから、組織はこうなる。キレイなピラミッド(天才→秀才→凡人)だ。

 

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だが、時代はたち、天才も歳をとる。スティーブジョブズしかり、天才も「死」には勝てない。そうすると、組織のトップに来るのは構造的に「秀才」である。一方で、若くて才能を持つ「若き天才の卵」は、次々に生まれ、組織に入ってくる。この時、組織の構造は逆転する。(「組織のライフサイクル」と呼べるだろう。)

 

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この時、最も相性の悪い「天才の上に、普通の人がつく」という構造になる。原文で説明したように「天才は普通の人によって殺されること」が多い。そのため、天才は共感の神などに助けてもらえない限り、「不幸な死」を選ばざるを得ない。

 

加えて「事業」にもライフサイクルの死期が訪れる。

創業期を牽引した「コアの事業」はやがて加齢し、消えていく。その時、企業は再度「創造性」を発揮するターンに入る。一般的に使われる言葉だと、破壊的なイノベーションという言葉がわかりやすいだろうか。

だが、問題はその時「誰がトップに座って、どんな感情を抱いているか」である

 

・秀才が直面する「自分の気持ち」にどう向き合うか、という問題

 

具体的には、この時、トップに君臨するのは往々にして「秀才」である。このとき「秀才」が、社内に残存する「天才」をどう扱うか、によって全ての組織の運命は決定する。問題は「感情」にある。具体的には秀才が固有に持つ「尊敬と嫉妬が混ざった、自らのアンビバレント(相反する)な気持ち」である。

 

そもそも「アンビバレントな感情」は、人間がもつ感情の中で最も厄介だ。恋愛における「好きだけど、別れられない」と同じように、相反する2つの感情を含む気持ちは、急激に左右に触れるからである。尊敬と嫉妬、愛と憎しみ、ほとんどの厄介な事件は、この「アンビバレント」な気持ちによって生じている。それがつまり

 

 >秀才が天才をどう扱うかによって「大企業の組織の未来」が決定付けられる

 

と感じるようになった背景である。そして今、多くの大企業はこの転換期にある。したがって、大半の大企業にとってこの「秀才の気持ちのコントロール」こそが、組織の発展を決めると言っても過言ではないと感じるのだ。

 

・天才には、この人を逃したら「あと、何年、待たないといけないのだろうか?」と感じさせる迫力がある

 

これまで僕は人生で「この人は天才だなぁ」と思う人と、3.5人会ってきた。一人は友人でもある、スプツニ子さんだが、天才の第一印象というのはこうだ。

 

 ・この人を逃したら「あと、何年、待たないといけないのだろうか?」と感じさせる迫力があること

 

だ。それはつまり「再現性のなさ」に近い。言い換えれば「この人を逃してしまったら、次に同じような人が訪れる未来」がイメージできないのだ。大谷翔平がわかりやすいだろうか。あのクラスの若手が「次にいつ現れるか」わからない。そう思わせる迫力があるのだ。

 

だが、悲しいながら、秀才は違う。

きっとこういう家庭で育ち、こういう勉強・経験をしたら、こうなるのだろうな、という解剖ができる。しかし、天才はそれができない。「なぜこの人が生まれてしまったのか」が分からないのだ。いや、正確にいうと「わかったとしても、再現」できないのだ。つまりチャンスは「何度も訪れない」のだ。

 

天才が離れ始めた組織に、もう一度天才が寄り付くには相当な労力が必要だ。たとえるなら、郊外の廃れ始めた「シャッター街」がわかりやすいだろう。一度、天才が寄り付かなくなった組織には、もう天才を惹きつけることはできない。だからこそ、秀才が「自らの気持ちに向き合い、変革を行うためのチャンス」は1度きりなのだ。(少なくとも数度しかない、のだ)

 

これが、大企業が自らの手で変革できる唯一で最大のタイミングだと感じるのだ。

 

SNSで最も利益を得たのは「普通の人」。SNSマイルドヤンキーの時代がきた

少し前にラジオ番組を収録した。その時、この話をした。すると側にいたディレクターに聞かれた。

 

「あの、凡人……普通の人はどうなるんですか?」と。

 

つまり、ほとんどの人は天才でも、秀才でもない人。つまり「普通の人(凡人)」だ。そして上の議論はその「普通の人」を置き去りにしているという。(本当は共感の神がいるのだが)たしかにその通りだ。だが、実は、今の時代は「普通の人」こそ最も利益を得やすい時代に入りつつあるのも事実だ。つまり「普通の人にこそ優しい時代」が到来した(加えて、僕はその世界が好きだ)。それは、SNSの登場が大きい。

 

SNSと、ヒエラルキー(大企業)の違いはいくつもあるが、ポイントは2つである。

 

①上下関係がないこと
②共感をベースに繋がれること

 

このメリットを最大限享受できるのは、実は「普通の人」である。だから今の時代とは、本質的には

 

「秀才の支配からの、脱出の時代」

 

だと感じるのだ。(続く)

 

※この記事は「凡人が天才を殺すことがある理由」の続編です。

 

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出典:amazonレビューより

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